おかしな検査データ
H2Sを産生しないCitrobacterをご存じですか?
小栗 豊子
1
1順大病院中検
pp.49
発行日 1974年12月1日
Published Date 1974/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200648
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細菌の同定検査は,(1)グラム染色による形態学的性状,(2)種々の生化学的性状,(3)血清学的性状(抗原構造の決定),(4)実験動物に対する病原性などを標準菌株と並行して検査し,これらの成績から総合的に菌種が決定される.しかしながら日常検査ではこれら(1)〜(4)の性状すべてを行うことは不可能であり,また特殊な場合を除いてはその必要はない.日常検査ではこれらの一部を省略した簡易同定検査が行われている.
日常の同定検査で困惑する問題は成書に記載されている性状と異なったいわゆる例外の性状を示す菌株や,検出がまれな菌種が分離された場合であり,この際には検査担当者の深い経験,豊富な知識により正しい成績が導き出される.
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