“ホッ”とspot
脳血管障害を合併した慢性腎不全患者における血夜浄化療法の選択について
武政 敦夫
1
1北九州総合病院内科
pp.288
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904085
- 有料閲覧
- 文献概要
近年,血液浄化療法の進歩により慢性腎不全患者の予後は著しく改善された.しかしながら,透析患者における脳血管障害の合併はしばしば致命的である.われわれはcontinuous ambulatory peritonealdialysis(CAPD)療法の経過中に橋出血を合併したにもかかわらず,CAPD療法を持続しながら救命しえた1症例を経験し報告したp1).
症例:48歳の男性.1985年6月より慢性糸球体腎炎による慢性腎不全にてCAPD療法開始.経過良好であったが,1988年12月27日,腹膜炎を合併したため同日入院,同年12月31日,橋出血を合併した.CAPD療法を継続し,グリセオールとステロイド剤を脳浮腫に対して使用した.橋出血発症後約1カ月で脳浮腫は消失し,約4カ月後,経口摂取可能となり,約6カ月後,意識清明となった.リハビリテーションにより約8カ月後には歩行可能となり,1989年10月19日退院となった.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.