増刊号 Common Disease 200の治療戦略
消化器疾患
イレウス
吉野 肇一
1
,
田中 豊治
1
1東京歯科大学市川総合病院外科
pp.164-165
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904027
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疾患概念と病態
様々な原因による消化管の閉塞に基づく病態で,「消化管閉塞症」ともいわれる.消化管の閉塞による腸管内容(食餌,ガス,消化液,糞便など)の停滞・逆流による症状のほかに,腸管内細菌の腹腔への透壁性逸脱による腹膜炎,腸管などの絞扼性壊死,脱水,電解質異常など,多彩かつ重篤な症状を呈し,迅速で正確な治療が要求される疾患である.閉塞部位により,小腸イレウス,大腸イレウスと呼ばれることもある.
消化管の機械的な閉塞(機械的イレウス)によることが多く,その原因としては,既往開腹術に起因する腸管の不整癒着がほとんどで,ほかに消化管,特に大腸の悪性腫瘍,内・外ヘルニア,なかでも大腿ヘルニアの嵌頓,腸重積,糞塊,胆石,回虫などの寄生虫などがあげられる.
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