増刊号 Common Disease 200の治療戦略
消化器疾患
大腸ポリープ
舩山 広幸
1
,
樋渡 信夫
2
1古川民主病院内科
2東北大学医学部第3内科
pp.162-163
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904026
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疾患概念と病態
大腸の隆起性病変(ポリープ)のうち,臨床的に最も高頻度に遭遇する腫瘍性ポリープについて,その取り扱いを中心に述べる.大腸腫瘍には最近,平坦・陥凹型の病変も発見されるようになったが,悪性化の頻度や発育速度などの生物学的態度についてまだ不明な点が多く,一律に取り扱うことはできないので,本稿では論じない,また,遺伝性疾患である大腸腺腫症やHNPCC(hereditarynonpolyposis colorectal cancer)には特別な対応が必要であり,これも本稿では扱わないことをあらかじめお断りしておく.
腫瘍性ポリープの所見記載には,部位,大きさ,肉眼型などが必要である.肉眼型は早期胃癌の内視鏡分類を準用しており,頻度の多い隆起型を有茎性(Ip),亜有茎性(Isp),無茎性(Is)の3型に細分し,さらに偏平な表面隆起型(IIa)に分類される.腫瘍性ポリープが癌または腺腫内癌である比率(癌並存率,“癌化率”)は病変の大きさにより異なる.大きさ5mm以下では約1%であるが,6〜10mmで10%前後,10mm台で30%前後,20mm以上では50%程度である.
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