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急性腎不全(ARF)治療のヒント
桜内 靖浩
1
1愛知クリニック
pp.129
発行日 1995年11月30日
Published Date 1995/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904013
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急性腎不全(ARF)の原因の中には,専門医でなくとも治療可能なものも少なくなく,簡単な治療でほぼ完全に回復する場合もあるので,ぜひ注意を払っていただきたい.
症例1:72歳,男性.腹部拍動性腫瘤を主訴にK病院受診.CTにて直径10cmの腹部大動脈瘤(および多発性嚢胞腎)を発見.翌日,大動脈瘤が破裂し,緊急入院し,手術を受けた.このときCr1.4.第2病日,右片麻痺出現.第8病日から尿量減少.第9病日Cr 8.4となり,血液透析(HD)開始.その後慢性腎不全(CRF)と判断され維持透析(MHD)となった.第44病日,MHDおよびリハビリテーションの目的でN病院へ転院.転院時体液量過剰の所見はなく,かつ収縮期血圧90〜100mmHg前後と低めであったため,MHDを行いつつ,心不全に注意しながら徐々に基礎体重を上方修正した.その結果,次第に尿量は増加し,Crは低下した.当院第7病日のHDを最後に離脱.Crは1.8程度で安定となった.
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