今月の主題 下痢と便秘
内科診療でよくみる下痢と便秘
過敏性腸症候群の診断と治療
佐々木 大輔
1
,
佐藤 研
2
1弘前大学保健管理センター
2弘前大学医学部第1内科
pp.1522-1523
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906190
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- 文献概要
●IBSは軽症例も多いが,治療の困難な重症例もあり,患者層は幅広い.
●IBSは診断基準に拠って診断する.診断は器質的疾患の除外診断から行う.除外のための検査項目は必要最小限にとどめる.IBSは大腸神経症ではないという認識が重要である.
●IBSと診断したならば,重症度を判定し,重症度に合わせた治療を行う.
●治療は生活指導と薬物治療が中心となる.薬物には消化管機能調整薬を用いるが,必要に応じて向精神薬を併用する.症状が続く場合は心理療法も併用する.
●治療の最終目標は,患者が症状を自己コントロールし,社会適応性を身につけることにおく.
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