これからの医療と医療制度・16
介護保険のゆくえ
寺崎 仁
1
1日本大学医学部医療管理学
pp.818-819
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903623
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「介護は福祉の問題であり医療とは関係ない」と思われるかも知れないが,日本の医療の現状はこの介護,特に要介護老人にかかわる介護サービスの多くは,健康保険による医療サービスとして提供されている.例えば,法律上は医療施設である特例許可の老人病院では,手厚い介護サービスが提供できるような人員基準が求められており,また一般病院においても長期慢性疾患で入院中の高齢者などでは,医療サービスよりも介護的サービスのニーズが高く,それらを補うために保険外の負担として「付添い婦」などが存在しその役割を担ってきたのである.したがって,介護サービスの提供の仕組みが変わるということは,とりも直さず医療にも大きな影響を及ぼすものであり,医師をはじめとする医療従事者の立場からも決して無関心ではいられないのである.
今,経済大国といわれるようになったわが国で,国民の多くは自分の将来にどのような不安を抱いているのであろうか.
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