特集 改正介護保険と訪問看護事業
介護保険改正と今後の検討課題―ケアマネジメントのゆくえ
高野 龍昭
1
1東洋大学ライフデザイン学部生活支援学科
pp.6-15
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1688100002
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ケアマネジメントをめぐる問題の本質は変わらない
今年4月から,改正介護保険制度が施行される。介護保険制度下の居宅介護支援(ケアマネジメント)事業においては,2000(平成12)年の制度施行時からさまざまな問題点が指摘され,実践の現場でも今日まで混乱が続いている。そうしたことに対して,今回の制度改正では一定の対策が打ち出された。
しかしながら,結論を先に言えば,筆者は今後もケアマネジメントにまつわる問題の本質は何も変わらないと思っている。今回の改正内容を見る限りでは,①介護支援専門員(ケアマネジャー)の資質向上は進まず,②ケアマネジャーの多忙さや居宅介護支援事業者の事業収支の改善も見込めない。そして③公正中立なケアマネジメントの実現は困難な状況が続き,④居宅サービスの介護給付費の効率化(節減)にも過大な期待はできない。さらに,⑤要介護者等の高齢者(利用者)の自立支援も進まないと思われる。
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