アメリカ・ブラウン大学医学部在学日記・8
外科実習は早朝から1日立ちっぱなし
赤津 晴子
1
1スタンフォード大学病院内科
pp.820-823
発行日 1995年4月10日
Published Date 1995/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903624
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「チリチリチリ!」目覚まし時計が午前4時15分を告げている.洗面と着替えを済ませてもまだ半分夢の中.午前4時半.完全防寒姿で真っ暗な外に出た.1月のニューイングランドの風は冷たい.ラッキーなことに,このところ雪は降っていない.しかし,夜半の冷え込みで氷づけになっている車のドアをバリバリ音をさせて開け,運転席に乗り込んだ.この日本製の車のエンジンはたいしたものだ.どんなに寒くても一発でかかってくれる.暖房を強にして,また車の外に出た.今度はフロントガラスの氷をはがさなくてはならない.アルコールスプレーのお世話になってからガリガリと氷をかき,ブラシで氷の壁をはがしにかかった.午前4時50分.さあ,早く病院に行かなくては…….まだ完全に氷がはがれたわけではないが,まあ何とか前が見える状態になったので車を出して病院に向かった.カーラジオからは軽音楽に続いて天気予報が始まった.「ただいまの気温10F(-12℃),風による体感気温は-5F(-20℃),日中は晴天でしょう!」とアナウンサーは嬉しそう.この頃,太陽を見るチャンスがほとんどないので,晴れでも曇りでも私はかまわない.雪さえ降らなければ.雪はただでさえ短い昨今の私の睡眠時間をさらに30分近く削る結果となる.
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