カラーグラフ 生検による組織診断・11
骨髄(Ⅰ)
北川 昌伸
1
1東京医科歯科大学医学部第2病理
pp.2453-2457
発行日 1994年11月10日
Published Date 1994/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402903394
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生検の手技
骨髄採取法には,大別して骨髄穿刺法と骨髄生検法がある.
骨髄穿刺法では塗抹標本を作って細胞学的検索を行うとともに,得られたcell blockから組織標本を作製して,組織像の検索を行う.骨髄穿刺部位としては,成人では胸骨(第二肋間部位),小児や新生児では危険を伴うため腸骨や脛骨が一般的である.穿刺部位を消毒・麻酔した後,骨髄穿刺針をしっかり保持して皮膚を穿刺し,骨に達したら,垂直に立てて適当な力で針を左右交互に半回転させながら骨髄内に押し進める.針が固定したら,注射筒を穿刺針に接続して一気に吸引する.穿刺液をスライドガラス上に塗抹して塗抹標本を作製した後,濾紙を用いて周辺の血漿成分をできるだけ取り除き,残った細胞集塊を一つの集塊にまとめて,組織標本用の材料として固定液に入れる(【注意事項】①患者の苦痛を考えるあまり,少量となって検索不可能になることがある.②しかしまた逆に,あまり大量に吸引すると,末梢血の混入が起こって,組織像を読むうえで障害となることがある).
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