今月の主題 水電解質・酸塩基平衡の調節とその異常
疾患と水電解質・酸塩基平衡の異常
誤った輸液により起こしやすい水電解質・酸塩基平衡の異常
松川 重明
1
,
和田 孝雄
1
1稲城市立病院内科
pp.1946-1948
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902960
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ポイント
●腎機能障害例では自由水やNa排泄能の低下があるので,低張性維持液剤による低Na血症やNa負荷による溢水に注意する.
●意識障害などで口渇に基づく水分摂取ができない患者では,Na含量の多い高張液の輸液により高Na血症をきたしやすい.
●腎の最大K保持能の発現には1週間程度を要するので,Kを含まない輸液を続けると低K血症をきたす.また,腎障害や酸塩基平衡異常のある例では,輸液により血清K値の異常をきたしやすい.
●肝不全では,ブドウ糖以外の糖質の輸液は乳酸の増加を招く.また,アルカローシスの遷延化は脱水や低K血症の合併時に多くみられ,これらの因子の補正が重要である.
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