今月の主題 神経疾患の画像診断
画像診断で注目されている神経疾患と病態
下オリーブ核肥大
河田 泰
1
,
加賀谷 肇
2
1中通病院放射線科
2中通病院神経内科
pp.1752-1755
発行日 1994年8月10日
Published Date 1994/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902915
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ポイント
●下オリーブ核肥大は,脳幹(中心被蓋路)—下オリーブ核—小脳(対側の歯状核)を結ぶギラン・モラレの三角(Guillain-Mollaret triangle)の病変によって二次的に生じる.
●病理学的には原病変発症の数日後より認められるとされているが,MRIでは原病変のあと,数週間から数カ月以上を経て,T2強調像,プロトン強調像で高信号域(T1強調像では等信号域)として描出される.
●臨床的には口蓋ミオクローヌスとの関係が重視されているが,口蓋ミオクローヌスを伴わない例もしばしば見受けられる.
●下オリーブ核肥大は脳幹・小脳病変発現とは時期的にも部位的にも離れて生じるため,脳梗塞,脳腫瘍などと誤認しないよう注意する必要がある.
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