今月の主題 臨床医のための血液疾患の理解
血液・造血器腫瘍のプライマー
慢性骨髄性白血病
西村 純二
1
1九州大学医学部第3内科
pp.568-571
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902650
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
●腫瘍化は多能性幹細胞レベルで起こり,顆粒球系細胞の増殖を主体とする慢性期を経て,骨髄系やリンパ系の芽球が増殖する急性期に移行する.
●Ph1染色体(9;22転座)が特異的であり,この変化に伴うbcr/ablキメラ遺伝子の形成が分子レベルでの腫瘍化の本態である.
●PCR法を用いた遺伝子診断がCMLの診断,治療後の残存白血病細胞の検出に応用されている.
●同種骨髄移植は治癒可能な唯一の治療法であり,インターフェロン-αはPh1クローンの消失を期待でき,ハイドロキシウレアは従来のブスルファンに替わる薬剤である.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.