カラーグラフ 電子内視鏡による大腸疾患の診断・8
感染性腸炎
林 繁和
1
1名古屋掖済会病院・消化器科
pp.1929-1933
発行日 1992年10月10日
Published Date 1992/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901743
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
かつては粘血便といえばまず疑われた細菌性赤痢も,近年,激減し,また腸チフス,パラチフス,コレラも同様に減少している.これらの法定伝染病に代わり,最近ではCampylobacter,腸炎ビブリオ,Salmonellaなどによる腸炎が増加している.これらの感染性腸炎は血便を呈することも多く,近年注目されている薬剤性大腸炎や虚血性大腸炎のような新鮮血下血で発症する疾患とともに,緊急大腸内視鏡検査で観察される機会も多い.
従来,感染性腸炎の内視鏡像といえば,直腸S状結腸に関しての報告がほとんどであったが,近年における大腸内視鏡機器の改良および挿入技術の進歩により回盲部までの観察が容易となり,その内視鏡像の特徴にも新知見が加えられつつある.日常臨床でしばしば遭遇するCampylobacter腸炎,腸炎ビブリオ腸炎,Salmonella腸炎を中心に,その内視鏡像の特徴を紹介する.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.