今月の主題 消化器薬の使い方—その効果と限界
腸疾患
感染性腸炎の治療
森下 鉄夫
1,2
,
森木 隆典
2,3
,
森谷 晋
2,3
,
澤口 健太郎
2,3
,
土屋 雅春
4
1静岡赤十字病院・第1内科
2静岡赤十字病院・消化器科
3静岡赤十字病院・内科
4慶応義塾大学医学部・内科
pp.650-653
発行日 1991年4月10日
Published Date 1991/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900818
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ポイント
1)感染性腸炎は,いわゆる経口伝染病と食中毒を含む.近年,経口伝染病菌と食中毒菌との中間ともいえる新しい菌の存在がわかってきた.
2)感染性腸炎の治療の基本は,脱水を是正する補液である.経口補液が第1選択であり,重症であれば,経静脈輸液を行う.
3)下痢に伴う症状や不快感が強い場合に,止痢剤を投与する.軽症より,収歛剤や吸着剤や乳酸菌製剤,臭化メペンゾレート,塩酸ロペラミド,燐酸コデインの順に投与を考慮する.
4)抗生物質は症状や病悩期間を軽減・短縮するために投与されるが,絶対的必要,相対的必要,不要と考えられる各腸炎があり,適応を考慮すべきである.
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