増刊号 わかりやすいエコー法の臨床
腹部エコー法
疾患と腹部エコー図異常
消化管疾患—下部
朝井 均
1,2
,
野上 浩實
3
1大阪教育大学保健管理センター
2大阪市立大学医学部
3野上病院
pp.406-410
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901178
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下部消化管病変の臨床診断は,上部消化管病変のそれに比較して従来からそれほど容易ではない.X線検査や内視鏡検査においてでもそうであるが,超音波(US)検査に関しては検査に不利な条件となる消化管ガスの存在のため,さらに困難であるといわざるを得ない.
しかしながら,最近の高性能を有する電子スキャン装置の出現によりその様相は一変してきている.すなわち,体表からのアプローチでも大腸癌や急性虫垂炎,腸閉塞などの急性腹症をはじめとする下部消化管病変に対してもUSが効果的に使用できることが判明してきており,first screen-ing的にも大いに利用されてきている.また,超音波内視鏡(EUS)による体腔内走査のアプローチでも腫瘍の良悪性の鑑別診断,悪性腫瘍の深達度診断などに必須の検査法として大いに活用されているのが実情である1〜5).
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