増刊号 臨床医のための最新エコー法
エコー法の実践—腹部エコー法
消化管疾患
藤井 康友
1
,
畠 二郎
2
1自治医科大学臨床検査医学
2公立三次中央病院消化器科
pp.258-261
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907746
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体外式超音波(ultrasonography:US)は,消化管粘膜の微細な形態を把握する手段としては無力に等しいものの,消化管壁の肥厚や内腔の拡張を呈する病態においては,断層像としてその形態的異常の描出が可能なmodalityである.幸いなことに,炎症や腫瘍性変化を有する消化管は内腔のガスが排除され,USにとって好条件となることが多い.このような病態を原因とする消化器症状を有する症例では,USによる実質臓器のみの観察では症状に対するアプローチとしては不十分であり,消化管病変を念頭に置いた観察が不可欠である1).紙幅の都合上,各疾患の詳細なUS所見については成書に譲ることとし,本稿では代表的な疾患を提示しながら無処置での消化管疾患のUSスクリーニング法について述べる.
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