今月の主題 出血傾向の臨床
血管異常による出血傾向
Allergic purpura
櫻川 信男
1
1富山医科薬科大学医学部臨床検査医学
pp.100-102
発行日 1993年1月10日
Published Date 1993/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901937
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●皮膚症状(紫斑),関節症状(疼痛),腹部症状(胃腸・腎障害),神経症状,限局性浮腫などを示す.
●感染症,食物,薬剤,昆虫刺傷などが誘因となり,IgA免疫複合体に起因する全身性血管炎によってもたらされる免疫複合体病である.
●3〜7歳に好発し,春に多い.炎症反応所見腎障害所見,免疫グロブリンの変動のほか,T-リンパ球増加による白血球増加をみるが,凝血学的には毛細血管抵抗試験陽性のみみられる.
●急性期腎障害に抗血栓療法を試み,関節痛,浮腫,消化器症状にはステロイド剤を用いる.
●予後は良好.早期診断と適切な治療が重要.
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