今月の主題 肝硬変から肝細胞癌へ—臨床医の正しい診療のために
肝細胞癌の治療はどこまで可能か
肝切除による肝細胞癌の治療
都築 俊治
1,2
1慶應義塾大学医学部・外科
2慶應がんセンター
pp.1660-1662
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901687
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ポイント
1)肝細胞癌に対する肝切除は,十分な肝予備能をもっ患者を選択することができるようになってから安全になった.
2)癌病巣を組織学的レベルで除去できたと考えられた症例の累積5年生存率は49%と比較的良好であった.しかしながら,5年生存例の80%に再発がみられた.
3)肝機能低下の著しい症例が多いこと,切除後残存肝に再発が多いことを考えると,癌の発生母胎である肝硬変を治療すること,すなわち肝移植を将来考慮せざるを得ないであろう.
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