今月の主題 肝硬変から肝細胞癌へ—臨床医の正しい診療のために
肝細胞癌の発生と早期診断
肝細胞癌の腫瘍マーカーとその使い方
遠藤 康夫
1
1東京都教職員互助会三楽病院
pp.1622-1625
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901679
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ポイント
1)肝細胞癌の診断に用いられている腫瘍マーカーとしては,α-フェトプロテイン(AFP)とPIVKA IIが代表的なものである.
2)健康診断やドックの際のスクリーニングには役立たないが,肝細胞癌高危険度群を対象に,定期的に腫瘍マーカー(特にAFP)を測定してゆくことにより早期発見が期待できる.
3)AFP糖鎖が癌化に際して変化することが分かってきており,特にレンズマメ・レクチン,インゲンマメ・レクチンとの結合性変化を肝細胞癌の早期診断に利用する試みがなされている.
4)AFP陰性肝細胞癌の補助的診断としてPIVKA IIが有用である.
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