今月の主題 肝硬変から肝細胞癌へ—臨床医の正しい診療のために
肝硬変でみられる病態とその治療の定石
肝硬変患者の生活指導と薬物療法の基本
滝川 康裕
1
,
佐藤 俊一
1
1岩手医科大学・第1内科
pp.1564-1566
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901664
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ポイント
1)肝硬変に対する生活指導と薬物療法の目的は,代償期の状態をなるべく長く維持させることにある.
2)肝硬変の病態は患者により大きな違いがあるため,個々の患者について病態を把握することが大切である.
3)生活指導にあたっては,患者の職業や社会的立場を考慮して過度の規制にならないように心がけると同時に,定期的検査と診察により合併症の予防,ことに肝細胞癌の早期発見に努める.
4)薬物療法にあたっては,肝障害をきたしやすい薬物を避けると同時に,肝障害による薬物の排泄遅延や,低蛋白血症に伴う薬物の効果の増強にも注意を払う必要がある.
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