治療のポイント
外来での肝硬変患者の扱い方
佐藤 俊一
1
,
柏村 勝利
2
1岩手医大・海藤内科
2岩手医大・内科
pp.1736-1741
発行日 1972年8月10日
Published Date 1972/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204418
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肝硬変には浮腫,腹水,黄疸などを認めない代償性のものから,これらの症状の認められる代償不全のものまで種々の病期があり,さらには消化管出血を伴うもの,肝性昏睡に至るものも認められる.代償不全の肝硬変はまず入院のうえ代償性にもっていくことが先決であり,外来での管理はその後の問題である.
代償性の肝硬変は代償不全に陥らないような適切な管理を行なうと,ほとんど自覚症状もなく社会復帰も可能であり,長年にわたって社会生活をつづけることもできる.しかし肝機能が比較的安定した代償性の肝硬変でも突然消化管出血を生じたり,何らかの誘因により肝性昏睡に陥ったりする場合があり,管理にあたっては慢性肝炎の場合以上に慎重を要するところである.
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