今月の主題 よくわかる水・電解質と酸塩基平衡
水・電解質異常の診断から治療まで
高K血症と低K血症
高橋 進
1
,
山内 立行
1
1日本大学医学部・第2内科
pp.789-793
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901496
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カリウム(K)は,健常人において,体内に約50mEq/kg・体重存在するが,その大部分(98%)が細胞内に分布し,細胞外液とくに血漿に存在するKはわずか1%にすぎない.つまりKは細胞内の主要な陽イオンであり,細胞内濃度は約150mEq/Lと細胞外液濃度(3.6〜5.0mEq/L)に比較し著しく高い.この著しい細胞内外K濃度勾配は主にNa-K依存性ATPaseのNa-K交換ポンプ作用によって維持されている.
一方,生体内外のK出納については,通常50〜100mEq/日のKが摂取されて小腸粘膜から主に受動的に吸収され,その90%が腎から,10%が腸管より排泄され,健常人ではほとんど常に一定のバランスが保持されている.
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