今月の主題 循環器薬の使い方 '92
不整脈
不整脈治療薬の長期投与と予後
田辺 晃久
1
1東海大学医学部・第1内科
pp.114-115
発行日 1992年1月10日
Published Date 1992/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901326
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抗不整脈薬による治療目標は,当該不整脈による死亡,血行動態悪化による失神発作,動悸などの症候を防ぐことにある.しかし,不整脈抑制作用の強力な抗不整脈薬が必ずしも長期予後を改善するとはいえない.実際,flecainideやencainideは強力な抗不整脈薬であるが,プラセボ群に比べ死亡率が有意に高かったとの理由で多施設試験(Cardiac Arrhythmia Suppression Trial:CAST)が途中で中止された1).
一方,β遮断薬は心室不整脈を合併する心筋梗塞患者の死亡を減少させるとの報告が多い2,3).本稿では,Vaughan Williams分類に従い,従来報告された「不整脈治療薬の長期投与」に関する成績を文献的に考察する.
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