今月の主題 循環器薬の使い方 1994
循環器薬と予後の改善
不整脈治療と予後
小沢 友紀雄
1
1日本大学医学部第2内科
pp.1335-1340
発行日 1994年7月10日
Published Date 1994/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402902818
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ポイント
●危険な不整脈や,症状の強い不整脈が出現すれば当然治療の対象となる.しかし,不整脈の治療あるいは予後の改善を目的として,長期間にわたり抗不整脈薬を投与することの是非については不明な点が多い.
●最近では,不整脈の出現をいかに抑制するかではなく,不整脈死をいかに抑制するかに重点が置かれるようになりつつある.
●そのきっかけとなったのは,CASTと呼ばれるフレカイニド,エンカイニド,モリシジンを使用した大規模二重盲検試験である.心筋梗塞患者の心室性不整脈に対して,抗不整脈薬を使用すれば心臓突然死を予防できるのではないか,という推測で始められ,途中でプラセボ群よりも実薬投与群に突然死率が高かったために中断されたという成績による.
●現状では,突然死を明らかに減少させるものはβ遮断薬であり,III群の抗不整脈薬も期待されている.
●薬物以外では,カテーテルアブレーションや植え込み型除細動器が,不整脈の予後改善に有力な方法と考えられる.
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