増刊号 わかりやすいエコー法の臨床
腹部エコー法
疾患と腹部エコー図異常
胆嚢疾患—癌とその鑑別
渡辺 五朗
1
1虎の門病院・消化器外科
pp.364-367
発行日 1991年10月30日
Published Date 1991/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901171
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胆嚢の超音波検査は腹部超音波の入門となる領域で,胆石症は超音波でほぼすべてが語られるまでに至った.しかし同時に精査としての意義もあり,現在では胆石云々よりも,癌を見逃さないことへと重点が移りつつある.実際に人間ドックで5~8%にポリープが発見されるに及んで,癌との鑑別が日常的な課題となってきた.さらに早期胆嚢癌においては,そのほとんどが無症状で,自験例でも約1/3に結石を合併するのみであり,胆嚢の超音波検査は胆嚢内腔を観察するだけでなく,胆嚢壁をいかに評価するかの点に注意を向けるべきである時代になったと言えよう.
胆嚢癌はその病型(肉眼型),stageによって多彩な画像を呈するので,本編ではまず筆者らの画像分類を呈示し,各画像を示して各々の鑑別疾患についても言及,解説を加える.
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