今月の主題 臓器感染症と抗生物質の選択
その他の感染症の治療
真菌感染症の治療
舟田 久
1
1金沢大学医学部付属病院・高密度無菌治療部
pp.1782-1783
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901104
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ポイント
1)真菌症の原因菌には,カンジダ,アスペルギルス,クリプトコックス,ムーコルが多い.
2)アムホテリシンBが最も広い抗菌域をもち,抗菌力も強いが,重篤な副作用が多い.
3)ミコナゾールとフルコナゾールは副作用が少ないが,ムーコル症に無効である.
4)フルシトシンとフルコナゾールの髄液移行が良好である.前者はアムホテリシンBと併用するが,骨髄抑制に注意する.
5)抗細菌薬治療に反応しない好中球減少患者の発熱は,経験的抗真菌薬治療の適応である.
6)好中球減少患者の抗真菌薬治療は,顆粒球コロニー刺激因子の併用で奏効することがある.
7)抗真菌薬治療は効果発現が緩徐で長期にわたるので,副作用に注意を要する.
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