今月の主題 臓器感染症と抗生物質の選択
中枢神経系感染症
髄膜炎の治療
小林 芳夫
1
1慶応義塾大学医学部・中央臨床検査部(微生物)
pp.1746-1747
発行日 1991年10月10日
Published Date 1991/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901092
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ポイント
1)髄膜炎においては,選択抗生剤は髄液への移行が良好であるというのが絶対的条件となる.
2)Penicillin系抗生剤が髄液への移行が良好である.
3)髄液への移行が良好である薬剤としてChloramphenicol(CP)があることを忘れてはならない.
4)髄膜炎菌髄膜炎は流行性脳脊髄膜炎と呼ばれ,法定伝染病であり,隔離病棟に患者を収容して治療にあたる必要がある.
5)髄膜炎菌髄膜炎患者の家族や接触者に抗生剤を予防投与する.
6)L.monocytogenes髄膜炎は,主として自己免疫疾患患者で副腎皮質ステロイド剤の投与中であるとか,高齢者にみられる.
7)副腎皮質ステロイド剤の併用は,適切な抗生剤が投与されている限り積極的に併用すべきと考えている.
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