今月の主題 心不全へのアプローチ
慢性心不全の治療指針
虚血性心疾患の心不全治療
鷹津 文麿
1
1更生病院・循環器内科
pp.1368-1370
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402901004
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虚血性心疾患によって起こる心不全は,左心室の機能低下(心拍出量の低下,左室拡張期圧の上昇)によるものである.多くの場合,大きな心筋梗塞または多発性心筋梗塞といった非可逆性の心筋壊死が原因となっているため,利尿剤および血管拡張剤による内科的治療が原則である.大きな心筋梗塞が心室瘤を形成し,薬剤抵抗性の心不全を呈する場合には,心室瘤切除術の適応となるが,かかる症例は実際には少なく(図1),今日,心室瘤切除術は他の手術(A-Cバイパスなど)の「ついで」に行われるか,薬剤抵抗性の心室頻拍,心室細動に対して行われることが多い.
薬剤の選択,使用法に関しては,本特集の他項に詳述されているので参照して頂きたいが,基本的には,まず徐放型亜硝酸剤(経口または経皮)と利尿剤(フロセミド,アゼソミド,スピロノラクトンなど)の併用でコントロールを試み,次に血管拡張剤の使用を考慮する.
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