今月の主題 慢性心不全を最近の知見から整理する―病態生理から治療まで
心不全治療に関する具体的対処法
〈病態に即した治療と管理〉
虚血性心不全
小川 崇之
1
,
望月 正武
1
1東京慈恵会医科大学循環器内科
pp.1883-1889
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101171
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ポイント
心筋梗塞後にみられる広範囲な心筋細胞の虚血壊死による左室拡大,非梗塞領域も含めた左室収縮力の低下を左室リモデリングという.
重度あるいは慢性的な心筋虚血の残存によるスタンニング(気絶心筋),ハイバーネーション(冬眠心筋)も虚血性心不全の一因である.
虚血性心不全の治療として左室リモデリングの抑制,心筋虚血・ハイバーネーションの解除は重要な治療戦略である.
虚血性心不全において,ACE阻害薬・β遮断薬・アルドステロン拮抗薬はその有効性が確立されている.
虚血性心疾患の再発予防も重要であり,今後,血行再建術・ARB・スタチンなど有望な治療の検討が期待される.
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