血液疾患診療メモ
造血器腫瘍患者のターミナルケア
岡田 定
1
1昭和大学藤が丘病院・血液内科
pp.1116-1118
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900939
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
造血器腫瘍の治療成績の進歩にはめざましいものがある.各種の抗腫瘍剤,支持療法の進歩に加えて,最近では種々のサイトカインの臨床応用,骨髄移植成績の向上などにより,悪性リンパ腫や急性白血病などは,治癒を目指し得る悪性腫瘍の代表的疾患と考えられるようになった.
しかし,そのような造血器腫瘍でも再発して治療抵抗性となると,他の悪性腫瘍と同じように,強力な治療を行っても治癒させることは不可能となり,数カ月以内に死が予測される終末期を迎えるようになる.終末期の患者に対するターミナルケアは,医療者にとって心身の重荷になるが,治癒を目指す治療と同様に重要なものである.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.