今月の主題 糖尿病診療の実際
血糖コントロールのために
NIDDMのインスリン療法
河盛 隆造
1
1大阪大学医学部・第1内科
pp.784-786
発行日 1991年5月10日
Published Date 1991/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900859
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
NIDDMの治療方針として,1)NIDDM発症リスクの高い人における早期発見,2)適切な食事療法と運動療法の指導,3)有効である間は,SU剤を適切に使用,4)SU剤が無効となれば,すなわち十分量のインスリン分泌が見られなくなった際には,中止し,5)直ちにインスリン治療を行うこと,が一般的である.
インスリン療法は,インスリン製剤面で,さらにインスリンペンの登場といった投与手段の面で進展をみたが,投与のソフト面は未だ十分完成したとはいえない.SU剤二次無効NIDDMで,インスリン投与が必須であるにもかかわらず,長期にわたり放置されている例も少なくない.たとえインスリン療法が実践されているとしても,その大多数に対して,中間型インスリン1日1回注射療法が一般的であり,血糖管理状況も低血糖の発症を恐れるあまり,良好に維持されているとはいいがたいのが現状であろう.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.