講座 図解病態のしくみ 内分泌代謝疾患・12
インスリン非依存性糖尿病(NIDDM),その他の糖尿病
粟田 卓也
1
,
岩本 安彦
1
,
松田 文子
1
,
葛谷 健
1
1自治医科大学・内分泌代謝科
pp.2150-2158
発行日 1986年12月10日
Published Date 1986/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220656
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インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)
1)概念
糖尿病は古くから記載された疾患であるが,その概念は時代とともに変遷し,今日では表1のような特徴を有する不均一な疾患群として理解される1).
成因不明のいわゆる一次性糖尿病は,インスリン依存性糖尿病(IDDM)とインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)に分けられる.インスリン依存性というのは生命の維持,ケトーシスの防止にインスリン注射を不可欠とするという意味であり,したがってNIDDMとはインスリンを注射しなくても直ちにケトーシスや生命の危険をきたすことのない糖尿病ということになる.生命維持にはインスリンが不要であっても,血糖コントロールには経口剤では効果不十分で,インスリンを必要とする場合があるが,このような症例もNIDDMに含める.
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