カラーグラフ 冠動脈造影所見と組織像の対比・22
CABG後のグラフト狭窄に対するPTCA
堀江 俊伸
1
1東京女子医科大学・循環器内科
pp.2528-2530
発行日 1990年12月10日
Published Date 1990/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900649
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●CABG後PTCAを2回施行し,再狭窄のため再手術時にグラフトを摘出した例
症例 71歳,男
嗜好品 タバコ40本/日,酒5合/日
現病歴 65歳の時に急性心筋梗塞の診断にて大学病院へ入院し,CABG目的で当院へ紹介された.冠動脈造影上,3枝障害のため,前下行枝(Seg 7)に大伏在静脈を使用し,CABGを施行した.退院1年後に狭心症状が出現したため再び入院し,グラフト吻合部近くに90%狭窄を認めたため(図1A),PTCAを施行し(図1B),25%狭窄にまで拡大した(図1C,D).翌年,再び狭心症状が出現したため,再度PTCAを施行し,60%狭窄にまで開大した.その1カ月後に1〜2回狭心症発作がみられたが,ニトログリセリン舌下錠にて改善していた.CABG6年後,安静時に強い胸痛発作があり,不安定狭心症の診断により入院した.グラフトは90%の再狭窄を示し,右冠動脈(Seg 1)も99%狭窄を示したため,左内胸動脈を前下行枝(Seg 7)に,右内胸動脈を右冠動脈(Seg 2)にCABGを施行し,その際にグラフトを摘出した.
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