今月の主題 膠原病診療の実際
治療方針のたて方とすすめ方
強皮症
諸井 泰興
1
1東京大学医学部・物療内科
pp.1388-1389
発行日 1987年8月10日
Published Date 1987/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221046
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強皮症(Scleroderma)の治療方針をたてるにあたっては,何よりもまずその病態の正確な把握と病歴の詳細な聴取が不可欠である.他のリウマチ性疾患と同様に皮膚病変のみならず内臓病変を来し易く,しかもそれが潜行する例が多いので,表面にあらわれた症状のみからの判断で治療を開始するのは避けた方がよい.皮膚,内臓病変とも経過,病態に個人差が大きいので症例に応じてきめ細かく柔軟に対処することが重要である.治療方針としては,疾患の説明を含む生活指導に続いて,把握された病像に応じて薬剤治療,理学療法などを施行するが,必ず定期的に諸検査を施行して病態の変化をとらえ,一度開始した治療も常に修正を加えて行く必要がある.
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