今月の主題 ベッドサイドの痴呆学
治せる痴呆を見逃さないために
薬物による痴呆
西山 和利
1
,
作田 学
2
1国立療養所東京病院・神経内科
2日本赤十字社医療センター・神経内科
pp.2076-2079
発行日 1990年10月10日
Published Date 1990/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900540
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昨今の医学の進歩により,痴呆は治せない症状とする時代から治療可能な痴呆も多く見出しうる時代へと変化した.そうした状況からも,痴呆の原因を追求し,治療可能なものかどうか見きわめることは重要である.一方で医学の進歩は使用薬剤の多様化をももたらし,諸種の疾患治療の目的で使用する薬剤そのものによる痴呆症状も増加した.このため使用中に痴呆を副作用として念頭に置くべき薬剤を知ることも,薬剤性の痴呆を可能な限り未然に,また軽症で防ぐという意味で大切である.
まず自験例を紹介した後に,痴呆を生じうる薬剤について概論する.
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