増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
疾患からみた内科エマージェンシー
消化器疾患
77.虚血性大腸炎
北野 厚生
1
,
小林 絢三
1
1大阪市立大学医学部・第3内科
pp.1940-1941
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900494
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腸管が侵される急性虚血性病変としては腸間膜領域の急性虚血性病変(急性腸間膜動脈閉塞症,腸間膜血行不全),虚血性大腸炎(ischemic colitis:IC)が知られている1).
1963年Boleyら2)が,腹痛,顕出血を主訴として発症し,発症初期では注腸造影にて拇指圧痕(thumb printing)像を呈し,その後病変の消失した一過性の虚血性病変例を報告した.そしてこれらの病変は大腸血管の可逆性閉塞に基づくものと考え,“reversible vas-cular occlusion of the colon”なる疾患単位を提唱した.1966年にはMarston3)らはBoleyと同様の症例について“ischemic colitis”という病名を提唱し,現在に至っている.
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