今月の主題 炎症性腸疾患とその周辺—診断と治療
治療
潰瘍性大腸炎の内科的療法
北野 厚生
1
,
小林 絢三
1
,
大川 清孝
,
押谷 伸英
,
小畠 昭重
,
吉安 克仁郎
,
橋村 秀親
,
日置 正人
,
松本 誉之
1大阪市立大学医学部・第3内科
pp.248-249
発行日 1987年2月10日
Published Date 1987/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220808
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潰瘍性大腸炎(UC)は,Idiopathic InflammatoryBowel Diseaseと称せられ,大腸の慢性の炎症性腸疾患である.その病因への積極的な研究によって免疫異常が存在するとされているが,それのみでは病態の全ての説明がつかず,むしろ多元的な病因が存在し,それらが複雑にからみ合って再燃であるとか,遷延化といった発現に至るのではないかと想定される.
したがって,その治療法は病因,病態を基盤としたものではなく,多分に経験に基づいた傾向が強い.さらに,本症に対する治療方針を立てる際に常に考慮すべきことは,そのUCが臨床的にどの位置にあるかである.すなわち,病期がどのstageにあるのか,罹患範囲は,初回発症か再燃か,さらに注腸造影,大腸内視鏡像において潰瘍の性質はどのようなものであるか……等々を整理して初めて治療方針が樹立されるのである.
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