カラーグラフ Practice of Endoscopy
大腸内視鏡シリーズⅤ
虚血性大腸炎
仁瓶 善郎
1
,
岩田 正一朗
1
,
三島 好雄
1
1東京医科歯科大学医学部第2外科
pp.9-13
発行日 1992年1月20日
Published Date 1992/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900709
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はじめに
人口の高齢化,生活様式の変化に伴い動脈硬化性疾患は増加し,消化管領域においても血行障害に起因する病変が近年注目されてきている.特に高齢者において,急激に発症する腹痛,下血,下痢を特徴とした虚血性大腸炎もその疾患概念の普及とともに関心が寄せられ,報告例の集積とともに解析が進められている.本症は虚血によって発症したと考えられる疾患単位であるが,臨床的に虚血を証明することは不可能なことが多く,発症早期に注腸造影,内視鏡検査を施行し特徴的な所見をとらえることが重要である.特に発症早期には病状の推移が早いため,これらの検査が施行されなかった症例では診断は困難となる.
本稿では,虚血性腸炎のフルオレスセインによる観察を含めた内視鏡所見を中心に述べる.
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