今月の主題 肝疾患Q&A
肝疾患の治療
食道静脈瘤—EISか,EVLか
大政 良二
1
,
山本 学
1
,
鈴木 博昭
1
1東京慈恵会医科大学内視鏡科
pp.520-522
発行日 1996年3月10日
Published Date 1996/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905009
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ポイント
●食道胃静脈瘤の治療法を選択するときに留意することは,食道胃静脈瘤の治療時期(緊急出血例か,待期・予防例か),食道胃静脈瘤の程度,肝機能障害の程度,肝癌合併の有無などを考慮したうえで,EVL,EISあるいはEISとEVLの併用のいずれかを選択する.EISには種々の方法がある.その治療目標によって硬化剤を選択し,硬化剤の選択によって治療手技,治療時の侵襲程度が異なる.
●緊急出血例,肝機能高度不良例では,肝機能の維持,すなわち肝不全の防止を優先させ,できるだけ侵襲の少ない治療法(EVL,AS血管内外併用注入法によるEIS)を選択する.胃静脈瘤緊急出血例にはcyanoacrylate(CA)が有効である.肝機能が比較的良好な場合は,EIS,EVLのいずれを選択してもよい.手術適応を考慮しながら診療手順を進める.
●EVLは,硬化剤を用いるEISと比較すれば,手技は簡便で生体への侵襲も軽微である.また,EISとEVLを併用する治療によって治療回数,硬化剤の使用量を減らすことができる.
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