今月の主題 内科医に必要な救急治療
おもな救急疾患とその治療
食道静脈瘤破裂
吉井 宏
1
,
山本 修三
1
1済生会神奈川県病院・外科
pp.854-855
発行日 1987年5月10日
Published Date 1987/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220954
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食道静脈瘤は門脈圧亢進症の一所見であるが,その破綻による出血は突発し,大量で容易にショックに陥る致命的なものも多い.また患者の大半は肝硬変などの肝障害を伴うため,出血を契機に肝不全を引き起こすこともしばしばあり,さらに出血傾向,多臓器不全が続発してそれらの治療に難渋することも少なくない.このようにrisk fac-torが多いため,消化管出血の中でもとくに食道静脈瘤出血の患者の予後は不良であり,その救命には迅速かつ的確な診断,初期治療が要求される.
治療上重要なポイントとして,とくに以下に示す事項に留意しなければならない.
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