増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
症状からみた内科エマージェンシー
44.出血傾向
半田 誠
1
1慶応義塾大学医学部・輸血センター
pp.1816-1819
発行日 1990年9月30日
Published Date 1990/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900461
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ポイント
1)出血傾向の原因は,血小板,凝固,線溶そして血管系因子の障害に大別できる.
2)出血傾向の症状,出血所見は,原因の鑑別診断,緊急度の把握に最も重要である.
3)皮膚の点状出血,紫斑は,血小板系の異常ならびにアレルギー性紫斑病に特徴的である.
4)血小板系の異常は一次止血障害であり,受傷と同時に出血は起こり,通常,遷延しない.
5)凝固・線溶系の異常は二次血栓の生成障害であり,一度止血した部位からの後出血が特徴である.
6)DICは,血小板,凝固,線溶系をまきこんだ複雑な病態を呈する.
7)緊急を要する出血傾向の処置の基本は,不足した因子の補充療法である.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.