今月の主題 呼吸不全の臨床
呼吸不全治療の新しいアプローチ
びまん性汎細気管支炎の抗菌剤長期療法
小田切 繁樹
1
1神奈川県立循環器呼吸器病センター・呼吸器科
pp.795-799
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900201
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びまん性汎細気管支炎(以下,DPB)は呼吸細気管支領域に病変の主座をおく病因不明の疾患であり,臨床的には反復性の気道感染を経て,きわめて高率に緑膿菌への菌交代を生じ,漸次呼吸不全へと進展する予後不良な疾患とされてきた.
しかるに,最近に至り,偶然の臨床経験に端を発したエリスロマイシン(以下,EM)少量長期投与が本症に対し有用であることが工藤ら1)により経験されてから,同様な報告が相次ぎ,今や本療法は本症の予後に光明をもたらしうるものとして本症治療の中心的地位を確立しつつある.
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