今月の主題 臨床医のための免疫学
免疫機構の生物学
免疫反応の細胞と分子生物学
中野 昌康
1
1自治医科大学・微生物学
pp.368-371
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900096
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抗原の刺激に引き続いて,生体の内部で生じて来る免疫反応は,複数の細胞系が関与する(表1,図1)とともに,活性化された細胞の出す微量で有効な液性因子(サイトカインやアラキドン酸代謝物など),補体,抗体などが加わった複雑な反応である.反応が進行する間にも細胞相互の間で情報の伝達が行われており,反応の制御,調節が行われている.どのようなメカニズムで,それらが行われているかを解き明かすことが免疫学の最も重要な課題であることは昔も今も変わらない.近年,分子生物学の手法が幅広く免疫学の研究に取り入れられるに及んで,研究は新たなる展開を迎えることになった.ここでは,免疫に関与する細胞の役割と免疫学における分子生物学のかかわり合いについて概略を記す.
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