今月の主題 免疫反応と臓器疾患
免疫機構と応答
免疫反応のもとになる臓器と細胞
中野 昌康
1
1自治医科大学・微生物学
pp.772-774
発行日 1985年5月10日
Published Date 1985/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219733
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免疫に関係の深い臓器として,骨髄,胸腺,脾臓,リンパ節などがあるが,免疫の機能はそれらの臓器に限定されているのではなく,全身に及んでいる.リンパ節,リンパ管,リンパ球で構成されるリンパ系lymphoid systemと単球でマクロファージ(Mφ)より成るmononuclear phagocyte system(MPS)がその中心となっている.最近MPSとは別に,樹状細胞dendritic cellや皮膚のLangerhans細胞が抗原の摂取に重要な働きをすることが知られてきた.顆粒白血球系granulocytic lineageも免疫と深いかかわり合いを有している.
リンパ系には,免疫応答の直接な場所ではないが,免疫系細胞の産生や成熟化に必要欠くことのできない中枢性リンパ組織(骨髄,胸腺)と,実際の免疫応答の場所となる末梢性リンパ組織(脾臓やリンパ節など)とがある.
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