今月の主題 臨床医のための免疫学
(Edltorlal)免疫学の発展
石 和久
1
,
霜多 広
1
1順天堂大学浦安病院・検査科
pp.364-367
発行日 1990年3月10日
Published Date 1990/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900095
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免疫学(Immunology)は,Immunisという本来刑罰や重い税金から免れる意味の言葉に由来している.古代では天然痘やペストなど,人類に最大の被害を与え続けた感染症を含め,一般的に人体に有害な物質または現象から免れることを免疫と考えていた.今日では免疫の意味はさらに深く,そして広くなり,体内に侵入する異物,すなわち「非自己」物質と自己とを識別して処理するための認識機構と考えられるようになってきた.この認識と処理を担当する器官および細胞の研究は,分子レベル,遺伝子レベルに及び,今や免疫学はバイオテクノロジーへの応用へと,医学面のみならず様々な分野の研究者が取り組むようになり,この数年で研究分野は途方もない広がりをみせつっある.今回,筆者らは臨床免疫学の発展について述べる.
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