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連載講座 細胞の完全理解は可能か?—生物物理学的視点からの問い・1【新連載】
細胞生物学から分子細胞生物学への75年
75 years from cell biology to molecular cell biology
市川 一寿
1
Ichikawa Kazuhisa
1
1株式会社True Cell Simulations
キーワード:
変わるもの
,
変わらないもの
,
PubMed
,
高校生物教科書
,
発展の因果関係
Keyword:
変わるもの
,
変わらないもの
,
PubMed
,
高校生物教科書
,
発展の因果関係
pp.90-96
発行日 2026年2月15日
Published Date 2026/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770010090
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細胞に関する文献数は膨大である。2024年に限っても,PubMedに登録された細胞関連文献は37万件以上あり,同年の全登録件数の20%以上である。もはやこの文献すべてを把握することは不可能である。しかし別の見方をすれば,研究の多さにもかかわらず統合的な細胞理解にはほど遠く,そのような理解が存在するかどうかも不明である。
筆者はこれまで生物物理学を基盤とし,シミュレーションを通して分子細胞生物学に関わってきた。シミュレーションするということは,細胞現象の背後にあるメカニズムを追い求めることそのものである。なぜなら,それらを知ることなしにシミュレーションはできないし,シミュレーションしようとすると何がわかっていないかを思い知るからである。更に加えると,シミュレーションは複数の現象と複数のメカニズムの統合を企てる作業でもある*1)。本連載はこのような作業を行ってきた一研究者が細胞を捉え直し,その過程で生じる疑問を考えようとする試みである。

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