今月の主題 再灌流療法時代の急性心筋梗塞診療
トピックス
冠動脈内視鏡
水野 杏一
1
1防衛医科大学校・救急部
pp.128-129
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402900039
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急性心筋梗塞の診断,治療に用いられている冠動脈造影は,死亡後の病理や冠動脈バイパス手術中の血管内腔所見との対比をすることにより,造影そのもので,ある程度冠動脈の状態を推察できる.しかし,造影所見はあくまでも造影による影絵であり,直接目で見ているものとは違う.その点,血管内視鏡は色彩の区別ができ,より詳細な内腔観察ができるので,急性心筋梗塞の病因,病態,治療に役立つものと思われる.しかし,冠動脈に関しては細径のファイバーがなかったこと,またファイバーができても彎曲のある冠動脈ではなかなか血管内腔が同軸で観察されにくいなどより,臨床に広く応用できにくかった.
筆者らは最近,内視鏡先端にバルーンをつけ,一方向曲げ機構やガイドワイヤーを狭窄部に留置したまま生理食塩水をflushできるover the guide wire方式の内視鏡カテーテルを開発し,急性心筋梗塞はじめ種々の虚血性心疾患に内腔観察を行っている1〜5).それを基にして,急性心筋梗塞の血管内視鏡の有用性などを述べる.
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