特集 消化器症候への実践的アプローチ
口腔および上部消化管
胸やけ—胃食道逆流症以外の疾患にも注意する
川見 典之
1
,
岩切 勝彦
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
胃食道逆流症
,
GERD
,
逆流性食道炎
,
非びらん性逆流症
,
NERD
,
逆流過敏性食道
,
機能性胸やけ
Keyword:
胃食道逆流症
,
GERD
,
逆流性食道炎
,
非びらん性逆流症
,
NERD
,
逆流過敏性食道
,
機能性胸やけ
pp.2096-2100
発行日 2024年11月10日
Published Date 2024/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402229864
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Point
◎胸やけはみぞおちから胸の真ん中が焼けるような感じであり,胃食道逆流症(GERD)の典型症状の1つである.
◎消化性潰瘍や悪性腫瘍などの器質的疾患でも胸やけ症状を呈することがあるため,胸やけをただちにGERDと結びつけるのは危険である.
◎食後に発生する症状,過食や早食いで起きる症状,高脂肪食摂取後の症状,おくびがよく出るなどの症状があればGERDを疑う.
◎胸やけ症状を呈する患者で消化性潰瘍や悪性腫瘍などを疑う警告徴候がみられない場合,内視鏡設備を持たない実地医家ではプロトンポンプ阻害薬(PPI)常用量を2〜4週間内服させ,胸やけ症状の変化をみることも可能であるが,症状が改善しない場合は上部消化管内視鏡検査が必要である.
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