特集 10年前の常識は非常識!?—イマドキ消化器診療にアップデート
症候
胸やけ・胃もたれなどの上腹部不定愁訴
浅岡 大介
1
1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター消化器内科
キーワード:
胃食道逆流症
,
GERD
,
機能性ディスペプシア
,
六君子湯
Keyword:
胃食道逆流症
,
GERD
,
機能性ディスペプシア
,
六君子湯
pp.46-50
発行日 2023年1月10日
Published Date 2023/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228687
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医療機関を受診する患者で,胃が痛い,胃が重い,おなかが張る,ムカムカする,胃液が上がってくるなどの上部消化管に起因する自覚症状を訴える患者は多くみられる.このようなさまざまな上腹部不定愁訴は「胃痛」「胃もたれ」「腹部膨満感」「胸やけ」「呑酸」症状として存在し,現在もなお医療現場で使われているが,患者の自覚症状も1つとは限らず,複数の症状を同時に呈することも少なくない.患者も厳密にこれらの上腹部症状を正確に区別して表現しているという確証もなく,例えば胸やけを訴える患者によっては,胸部の不快感,あるいは上腹部不快感の要素を含んでいることもある.また,これらの上腹部不定愁訴について,聴取する医師によって考え方や診断にばらつきがあることも少なくない.このような胸やけ・胃もたれなどの上腹部症状について,近年改訂された機能性消化管疾患の国際基準であるRome Ⅳや機能性ディスペプシアという疾患概念の提唱により整理されつつある.本稿では,胸やけ・胃もたれなどの上腹部症状に対する診断・治療について概説する.
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